「ガイドライン2015」では、「胸骨圧迫の際は、毎分100回~120回のテンポで実施する」と改訂されましたが、「ガイドライン2010」における「少なくとも100回以上のテンポ」というのも、救命講習会の際、受講する方々に理解して頂くことって、なかなか難しかったと思います。
救命講習会では、「メトロノーム」を使うなど、いろいろな工夫をしていますが、いざ胸骨圧迫をやってみると、「強く、速く、絶え間なく」の「強く」を意識し過ぎてしまい、強く圧迫しようとするあまりテンポが遅くなってしまったり、圧迫解除(リコイル)がおろそかになってしまうことってよくあるのではないでしょうか。
従来の「ガイドライン2010」では、誰もが知っているSMAPの「世界にひとつだけの花」が、ちょうど100回毎分のテンポでしたので、受講者の皆さんに覚えて頂くにはとてもよかったのですが、今回の改訂では、テンポがもう少し速くなりますので「う~ん、みんなが知っている何かいい楽曲はないかな~?」と探していたところ・・ありました、ありました!
女性バンドのレジェンド、「プリ・プリ」の愛称で親しまれた「プリンセス・プリンセス」の大ヒット曲「Diamonds(ダイヤモンド)」です。
下記にその楽曲をUPしました。BLS用の替え歌になっており、歌詞もスクロール表示されますので、是非ともご覧下さい!
「ガイドライン2015」では、「ガイドライン2010」からの大きな改訂はありませんでしたが、胸骨圧迫のテンポが「毎分少なくとも100回以上」から「毎分100回~120回」に、胸骨圧迫の深さが「少なくとも5cm」から、「しっかりと5cm以上」となった他、心肺停止の判断の重要なポイントとなる、下顎呼吸などのいわゆる「死戦期呼吸」の見極め、さらに「判断に迷った時は躊躇せず次のステップに進む」ことが強調されています。また、近年多発する「熱中症」の対応や外傷時の対応など、今まで「その他の応急手当」と区分され、分かりにくかったものを「ファーストエイド」として新たにまとめられています。
詳しくは下記の総務省消防庁HPに「市民用心肺蘇生法の指針」がUPされていますので、是非ご覧になって下さい。
<総務省消防庁:市民用心肺蘇生法の指針>
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList5_5.html
<掲載テキスト>
応急手当指導者標準テキスト・ガイドライン2015対応(東京法令出版)
次回は「ガイドライン2015」において、心肺停止の判断の重要なサインとなる「死戦期呼吸」の見極めについてUPしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。(HIGE)